森林は二酸化炭素の吸収源となり、森林が広がる地域は、生態系も豊かであることが、国連環境計画(UNEP)の調べで判明した。タンザニアでは、ほ乳動物種の70%近くが生息する区域には、豊かな森林が広がり二酸化炭素を吸収し炭素を固定している。また、環境対策への政府資金を有効活用するには、温暖化対策費をうまく生態系の保全にも生かすことが必要である。タンザニアのほか、中国・江西省、ナイジェリア、カンボジア、アルゼンチンなどについても調べた結果、中国・江西省では調査時に陸域で森林などが0.5ギガ(ギガは10億)トンの炭素を固定しており、その7割は省内の針葉・広葉樹林に蓄積されていた。この森林地帯の半分には、固有種や絶滅危惧種が生息していたという。ナイジェリアでは固定酸素の4%をカバーする地域が重要な野鳥生息域であるという。生物多様性条約は1992年の「リオ地球サミット」で誕生し、気候変動枠組み条約とは「双子の条約」と呼ばれている。