吉野杉といえば、日本を代表する高級ブランド木材である。「日本全国スギダラケ倶楽部関西支部」は平成17年に設立され、総勢約100人が参加。関西一円で活動し吉野杉の魅力の発信に取り組んでいる。メンバーには、大工や木工デザイナーらもおり、それぞれがスギの可能性のPRに努めている。2009年11月、同支部は吉野町で、林業体感ツアーと木について語り合うフォーラムを初開催し、荒廃が進む吉野杉の山林は参加者を驚かせた。節のない美しい木目を作るため堅密に植えられる吉野杉。このため林道が造れず、運搬にはヘリコプターを使う。これが価格に反映され、安価な外国産材木との市場競争に敗れる大きな原因となった。地元ではコスト削減に向け、林道建設に取り組んでいるが、相続や投資目的の売買で土地が細分化され多くの地権者の了解が必要なため、遅々として進まないのが現状である。また、石橋支部長は現在、需要を上げ、林業を復活させたいとの思いから、吉野杉を安価で提供する試みなどのPRを積極的に展開している。「今、全国で同じことが起きている。スギダラケの活動を通して、多くの人に山の現状を知ってもらいたい」と話す。