全国でクマによる被害が多数出るなか、捕殺されるクマも増加している。名古屋市で開催されている生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)会場に隣接する白鳥公園の展示ブースで、兵庫県西宮市の自然保護団体「日本熊森協会」は「もとをたどれば、クマがすむ自然が破壊されているから」と、生息地の保全による人とクマの共生を呼びかけている。1997年結成の協会は、傘下のNPO法人を通じ、寄付でクマのすむ森を取得するナショナル・トラスト運動を展開している。ブースでは、協会の活動や、クマを取り巻く状況が年々厳しくなっていることをパネルで解説している。スタッフの奥野美歌さんと三浦知子さんが、ドングリの実る森を伐採されたあげく、捕らえられたクマ親子の物語を紙芝居で披露している。奥野さんは「クマのすむ森を守ることは、人間やほかの生き物にとっても大切」と訴えている。