16日、奈良市にある興福寺で、再建中の中金堂の立柱式が行われた。建物を支える36本の柱の上に付けられた仮の屋根の下で、関係者ら約500人が工事の安全祈願がされた。立柱式は隣接する春日大社の神職も参加し、神仏習合の形で施行された。観世流が興福寺にゆかりの深い能「春日龍神」を奉納、同寺の多川俊映貫首が中金堂の歴史や再建に至る経緯を述べる啓白文を読み、関係者らが大きな木づちで柱を据え付ける所作を表す「立柱槌打の儀」を行った。中金堂は興福寺の中で最も重要な建物であり、1717年の7度目の焼失以降、本格的な再建はされていなかった。これまでに土台に当たる基壇を整備。柱は長さ約10メートル、直径約80センチのアフリカ・カメルーン産のケヤキ(学名 Afzelia pachyloba あるいは Afzelia africana)である。天平様式で復元する建物の落慶は2018年を予定されている。
この木の切手