大阪府や大阪府木材連合会など産官学でつくる対策協議会が、木材パネルで鉄筋コンクリート誠意ビルを囲うことで「ヒートアイランド現象」を緩和させる実証実験を、近く、大阪市西区のビルで始める。ヒートアイランド現象は、都市部で、地表面がアスファルトで覆われているほか、クーラーや車の排熱などで気温が上昇する現象である。コンクリートによる夜間の温度上昇を防ぐため、外壁を熱容量の小さな木材で覆うことで、ビルの熱のためこみや放出を緩和する効果が見込まれている。大阪府などが昨秋、同市北区中之島で行った実験では、約3度温度を下げる効果が得られたという。そこで、「国産材を活用したヒートアイランド対策協議会」を結成し、今回の実証実験となった。大阪木材会館の6階建て鉄筋コンクリートビル南側の壁約500平方メートルを利用するという。パネルで覆った約125平方メートルと、覆われていない部分との温度の変化や、パネルの形状を変えたり、格子状に設置するなど張り方を変えたりして違いを比較するものである。さらに12月末までに全面を覆い、冬場での状況も測定しながら来年にかけて検証を進める予定である。