東京都杉並区にある建築資材開発の日興)は木材をコンクリートの代替品に応用する技術を開発した。液体状にしたガラスを木材に浸透させ、腐食の原因となる酸素や水分を取り除くのである。見た目は普通の木材だが、耐久性が大幅に高まるという。土木建築用の資材としてゼネコンや海洋土木会社に売り込み、2013年度に年間20億円の売上高を見込んでいる。新技術は液体状のガラスを満たした大型の釜に木材を投入し2~3時間加熱する。ガラスの成分が木材に浸透し、内部の水や酸素を木材の外に追い出すというものである。ガラス化した木材は腐食しなくなるうえ、耐久性もコンクリート並みに高まるという。これまでも液状ガラスを木材やコンクリートの表面に塗布する用途で販売していた。こうすると木材に表面に塗布すればシロアリによる食害を防げるが、木材内部での腐食を食い止めることはできなかった。新技術は液状ガラスに特殊な触媒を加えて加熱することで、ガラスが木材内部まで浸透しやすくなる。また杉やヒノキなどあらゆる木材に対応する。体積1立方メートルの木材をガラス化するのに70キログラムの液状ガラスが必要で、木材内部に浸透して減った分は継ぎ足せば使える。価格は釜が300万円程度で、液状ガラスは70キロあたり6万8000円。安価な木材を使えば資材価格をコンクリートの半分程度に抑えられるという。