間伐材や山からでる枝は、建築廃材などから発電を行う木質バイオマス発電がある。燃やした熱で蒸気を発生させタービンを回して発電を行う。燃焼させるので、二酸化炭素(CO2)は発生する。しかし、もともとは大気中にあったCO2を木が吸収したものである。化石燃料による発電はCO2を増加させるが、木質バイオマス発電では、もとの大気中に戻るだけで、大気中のCO2を増やすことにはならない。電力会社が年間に買い取る新エネルギーの1割程度を占める。しかし、その1割も総発電量の1%にも満たないのが現状である。また、多くの木質バイオマス発電は苦境に立たされている。原因は原料となる木材不足の費用である。多くの森があるが故に森林大国ともいわれる日本だが、間伐材を山から安く出してくるシステムは日本にはない。日本と似た急峻な山林があるが、作業路が整備されたオーストラリアでは、1m3の木を運び出す費用は5400円程度。実に日本の4割弱の費用である。また電力買い取り価格も日本の倍程度の約20円になる。木質バイオマス発電の燃料費が高くかさむ日本とは大き く状況が違う。全国に木質バイオマス発電機を持つ事業所は56あるが、3割が原料の木材不足により休止や縮小となった。にもかかわらず、運搬の費用が割に合わないことから山林には年間2000万m3近い間伐材が放置されている。