奈良県立橿原考古学研究所の調査で同県桜井茶臼山古墳(3世紀末~4世紀初め)で、遺体を安置した木棺が「コウヤマキ」の木であったことがわかった。昭和24年の調査では、マツ科の針葉樹、トガの巨木と鑑定されていた。しかし、初期大和政権の大王クラスにふさわしい材種が選ばれていたことが60年ぶりに突き止められたことになる。 同研究所が、木棺を納めた竪穴式石室周辺を発掘した際、長さ数センチの木の破片100点以上が出土し、木棺の一部とみられ、顕微鏡で詳細に観察した結果、細胞の形などからコウヤマキと特定されたのである。