1970年代から日本国内の森林面積は変わっていないにも関わらず、鳥類の生息域が大幅に減少していることが森林総合研究所の特別研究員、山浦悠一らの調査で分かった。原因は林業の停滞で明るく若い森が減り、それを好む鳥が減ったためである。森林の変化が生態に影響を及ぼすことを示しており、森林対策の充実が急がれる。研究チームは環境省が行った鳥類の分布調査を基に、計103種の渡り鳥(夏鳥)や留鳥の生息域の変化を分析した。その結果、樹齢8年未満の若い森に住む夏鳥、留鳥ともに生息域が大きく減少していた。その一方で、樹齢8年以上の成熟した森に住む留鳥の生息域は増加した。ここでも夏鳥の生息域は減少したが、若い森ほどではなかった。この間、日本の「森林蓄積」は1970年代の20億?が、2000年には2倍になり、成熟した森林が増えていた。