滋賀県大津市の長等山にある三井寺((長等山園城寺)が、約1000本の山の桜を1万本に増やし、関西有数の桜の名所にする「桜1万本計画」の取り組みを進めている。 長等山の桜は、和歌や俳句で知られる、後鳥羽天皇、松尾芭蕉等多くの風流人が俳句を詠んできたが、戦後の復興で木材需要が高まり杉や桧の人工林に変貌し、桜などの広葉樹が激減した。桜1万本計画は戦後に植樹した杉や桧を伐採し、寺の補修に使い、代わりに寄付を募ってソメイヨシノ等の桜を植樹する。1口5000円で1本あたり20口まで、寄付の協力者の氏名を記した札を木の前に立てる。誕生記念や供養のため関東や九州を含む各地から、申し込みが相次いでいる。現在は、三井寺周辺の桜が、長等山一面が桜で覆われる日が来るかもしれない。