京都市下京区の工房で「梓御弓」の制作風景が報道陣に公開された。これは平成25年に予定されている伊勢神宮の式年遷宮で奉献する服飾品や調度品の「御装束神宝」のひとつである。式年遷宮は20年ごとに社殿を建て替える行事であり、御装束神宝は合計714種、1576点ある。この梓御弓は、長さ約230センチと約240センチの2種類が計59張制作され、伊勢神宮の内宮と外宮、14の別宮の神前に供えられる。制作にあたっているのは、御弓師の称号をもつ第21代柴田勘十郎さんである。柴田家は、江戸中期以降、代々制作をしている。材は木目がまっすぐなミズメザクラで、刃物で形を整え、朱や黒の漆を塗ったり弦を張るなど、8つの工程を仕上げている。