東京都八王子市の富士森公園で、本年2月に倒木の恐れがあったソメイヨシノが切り倒された。切り倒された木の根を見て、樹木医の和田氏は驚いた。食用にもなるキノコ「ナラタケ」が幹や根の導管と師管に菌糸を張ったため目詰まりがおこり、根の大半が腐ったのである。このようなキノコによる桜の被害が目立ち始めたのは4-5年前からである。ナラタケのほかにベッコウタケ、コフキサルノコシカケがある。これらはサクラにとって、3大危険キノコである。さくらは元来、腐朽が起きやすい木であり、また根は人に踏みつけられやすい。剪定の傷口から菌が入って病気になることもある。その他にヒートアイランド現象による影響も受けているのではと話す。