樹齢60年といわれているソメイヨシノだが、最近枝が枯れたりキノコが生えて朽ちるものが増えている。日本花の会(東京都港区)が富山県と埼玉県で1069本を調べたところ樹齢60年以上の約8割が倒木の恐れありと診断した。車に接触されたり、根が路面を持ち上げて傷つくと、そこから幹を腐らせる菌が入る。また早く並木らしくしたいと、10メートルは必要な間隔を狭めて植樹するケースも多いため、枝が伸びる余裕がなく枯れてしまう。新たな脅威もある。小指から拳くらいの大きさのコブで、コブが大きくなると大きくなると枯れてしまう。ソメイヨシノでは90年代末に見つかった。コブの原因は、現在不明で今後も監視する必要がある。また、開花には最高気温10度以下の寒気に2カ月さらされることが必要で、温暖化でさくらが咲かない地域も出現すると見ている。他にも、ソメイヨシノは、花が咲かなくなる「テングス病」にかかりやすく他の野生桜への感染拡大が懸念されている。一方では、樹齢120年以上の樹木も存在しており、良好な環境と適度な手入れをすれば、いつまでも元気でいられる。そのためには、今後の人の行動にかかっている。