定年退職者らが植物観察や水質調査など、自然観察のアドバイザーを養成しているNPO法人「シニア自然大学」。各分野に特価したプロジェクトがあり、中でも特徴的な取り組みが菊炭プロジェクトがある。菊炭は、猪名川上流域の能勢町や兵庫県川西市などで生産されてクヌギを原木とした炭で、切り口が菊の花のような割れ模様になる。池田市に集められ各地に出荷されてため池田炭とも呼ばれており、最高級の茶道用の炭として豊臣秀吉も愛用したと言われる。現在炭の需要が低迷して生計が立たず現在生産者は兵庫県に数人のみで、70歳以上が2人おり高齢化が顕著のため菊炭の技術と文化を継承しようと2004年に菊炭プロジェクトを始めた。現在は会員約30人が活動しており、体験講座などは会員以外も参加できる。当初は使われていない窯を使っていたが、2年前に会員300人が協力し、粘土で菊炭用の窯を作った。菊炭の作成は、伐採したクヌギを束ね、窯に入れ400~500度で10日間炭化させると約4分の1の重さの菊炭ができる。完成した菊炭は、置物、花差しなどの工芸品やピアス、ペンダントなどのアクセサリーにして展示会を開いたり、販売もしており、菊炭への興味が広がればと期待している。