縄文時代晩期の約2800年前の川底から、円形に打ち込んだ木の杭などが出土した。出土された場所は、奈良県橿原市の自動車道建設予定地である。杭の間に網などをはって魚をとるための仕掛けとみられる。杭は、深さ2-3メートルの川跡の中央付近で発見。直径10数センチの木材を割いたり、枝をきったりした長さ17-80センチの34本の杭が、15-30センチの間隔で、直径約1.8メートルの円を描くように打ち込まれていた。渦巻き状に杭を打っているのは、魚を逃げにくくするための可能性があるという。また、下流には木の根株があり、魚が集まりやすい木陰を利用したとみられる。今まで縄文時代の円形の杭列は、北海道、岩手県、福岡県で見つかっているが、近畿では初めてである。