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新聞からの木の豆情報

バイオリンの音色は木の成分がポイント

・日本経済新聞 2009/2/8

「ストラディバリウス」とは、17-18世紀の北イタリアの町クレモナで楽器職人をしていたアントニオ・ストラディバリウスが作った世界最高峰と評されるバイオリンである。比類のない音色は多くの演奏家、聴衆を魅了した。そして、最新の技術をもってしてもこれにしのぐバイオリンが作ることができない。バイオリンの構造は単純であり、弦の振動を表板に伝え、2枚の板の空間で共鳴させ増幅するのである。材はトウヒやカエデが使用され、木目が均質に詰まっている方が良いとされている。2008年にオランダのライデン大学のグループが、ストラディバリウスの出来た時代の方が今より寒冷な時期で夏と冬の温度差が小さいため、バイオリンに適した材が調達できたと発表した。また、2000年にバイオリン市場に参入したヤマハでは、工学的な情報、設計情報、音の関連などをもとに分析を行っている最中であるが、「木のセルロース成分の結晶化は大きなカギ」と話す。板の弾性率が高まり振動の損失が減り、耳障り音がなく、伸び滑らかさが出るという。どうしてそうなるかはわかっていないが、300年にわたり手入れしたストラディバリウスが、一段と良い音を出している現実とよく一致しているのである。

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