堺市堺区錦之町東にある「山口家住宅」。現存する国内最古級の町家で、約400年前に建てられた。堺市では観光の拠点施設として購入、リニューアルを進めていたが、建物の一部にシロアリ被害を確認。一般への公開を春に行うべく進めていたが、補修のため秋にずれ込むこととなった。山口家住宅は元和元年(1615年)、大坂夏の陣のすぐ後に建設されてたと言われている。切り妻造りの2階建て。1階では広い土間があり、太いはりが掛っているのが特徴。江戸時代に何度かの増改築がなされており、部屋の柱や天井板には「やりがんな」で削られた跡が残り、当時の建築技法が確認できる。建物の部屋数は合計15室になる。昭和41年に重要文化財にも指定され、昨年の春からは耐震補強も兼ねた修復工事が行われているところであった。シロアリが見つかったのは西土蔵で、被害はすでに建物全体に広がってしまっている。木材の再利用や修復では対応しきてない箇所があり、木材の交換が必要となった。その為、一般への公開は当初の予定より5か月ほど遅らせ、10月ごろを見込んでいる。