江戸時代から高野街道沿いで酒造りを営む、河内長野市の西條合資会社と地元住民らが、酒蔵のある街並みをPRしようと、「杉玉」を軒先に飾るなどの取り組みを始めた。市のまちおこしプランが、府大阪ミュージアム構想関連事業のモデル地区に選ばれたのを機に、企画された。住民らは「杉玉をシンボルに、『いにしえの道』の復活を」と話す。 同社によると、杉玉はスギの葉を球状に集めたもので、新酒を搾り始める頃に、「神への感謝の気持ち」を込めて軒先に飾るもので、時間とともに葉が枯れて茶色くなる様子などから、熟成の具合を知る目安にもなった。 住民らは今春、「酒蔵通りプロジェクト」を発足し、地元の間伐材などを利用して杉玉25個を作製。11月22日には、同社が毎年行っている「初槽式」に参加し、杉玉を新酒で清めて持ち帰った。計画では、杉玉の゛普及゛に加え、街道沿いの街並みや歴史遺産を生かしたPRを進める。さらに、酒蔵ゾーン・三日市宿ゾーン・高野街道ゾーンの三つに分けて魅力を発信し、街道ライトアップなども検討する。西條社長は「高野街道は、南河内を代表する歴史遺産。杉玉の取り付けを呼びかけながら、地域一体となって活性化に取り組みたい」と話している。