紅葉で有名な嵐山で、渡月橋の南西に広がる森(約60ヘクタール)でカエデや桜の衰弱が、林野庁京都大阪森林管理事務所により確認されている。一帯はもともと近くの天 龍寺の寺領で、鎌倉時代に亀山上皇が奈良・吉野山の桜数百株を移植して以来、桜や松が頻繁に植えられ、たきぎの調達の為に日常的に間伐が行われてきた。しかし明治初期の国有林化によって手入れされなくなり、適応力の強い常緑広葉樹の繁殖により森の中の日照が不足、カエデや桜の若木が育たなくなった。また、付近が鳥獣保護区であることから、鹿や猿による獣害も深刻であるという。今年6月、地元の嵐山保勝会のや研究者らで意見交換会を発足させ、森の再生に向け植生、景観などの観点から提言をまとめることになった。