耐震対策の1つの方法として、耐震シェルターに注目されている。住宅すべてを改修するのではなく、寝室など長く滞在する場所に耐震シェルターを設置する家庭が増えている。工事は短期間で引っ越す必要もない。兵庫県や東京都では補助金を出す自治体も出てきている。耐震シェルターを開発した建築会社「ヤマニヤマショウ」では6畳間では平均7~10日の工期で、約300万円の費用となる。10年間で約500戸を高齢者世帯を中心に施工した。また最近は間伐材を利用したエコ耐震シェルターも注目されている。「j.pod広報協会」では、国産スギの間伐材を使い、天井、床、壁を覆う四面体を部屋の中に組み込む。4畳半の部屋に約10トン(瓦屋根12畳間分)が落下しても壊れないという。工期は約1週間、費用は150~200万。同工法を手掛け、耐震工学が専門の樫原健一さんは、「経済的な事情で大がかりな耐震工事が できない場合」、「改装で外観や内装が大きく変わるのを好まない場合」、「災害が起きた時に避難が難しい高齢者や障害者がいる場合」などの状況であれば耐震シェルターが適しているとしている。また、「木材は人にも環境にも優しい」とも話す。