台風によって倒木となった天橋立の松が、京都伝統工芸大学校の手によって清水寺本尊をモチーフにした十一面観音に変わりつつある。これをつくるきっかけとなったのは、天橋立名松リバース実行委員会が倒木の松を再利用し、天橋立の象徴である松並木の保全をアピールしたいと、樹齢400年以上とみられる倒木の一部を同大学校に提供したことである。また、十一面観音は寄せ木造りで、台座から光背上部までの全高2.6メートル、観音像の高さ1.65メートル、幅1.1メートルであり、手に持つ蓮華、数珠など200以上のパーツを分担して彫りあげたのである。同大学校では、2006年5月清水寺本堂に安置されている出世大黒天の塗装修復作業を行ったことが縁で同寺と交流ができたのである。