今、中国雲南省に大規模な開発の波が押し寄せている。多様性に富む熱帯林がゴム林に姿を変えてきている。この地域はアマゾン原産のゴムの木の栽培に向いており、地元政府は農村の発展の切り札として植林を奨励している。「ゴムのにおいは、カネのにおい。植えれば植えるほど豊かになれる。」といわれ、この20年で東京23区の2.8倍の面積がゴム林に変わった。農民の6割近くがゴム栽培で生計をたてるようになった。また、森がうしなわれたことによる損失はゴム生産による利益を上回り、18年で累計1億ドルにもなる。州政府は2007年から植林を禁止しているが、タイヤなどに欠かせない天然ゴムの需要は国内で増え続け、消費量は15年以内に2倍近くに増えるとの予測もある。