1989年、「森は海の恋人」をスローガンに漁師による植林運動を始めた畠山氏は、気仙沼湾に注ぐ大川をさかのぼり、岩手県の室根山にブナ、ナラなどの広葉樹を植えた。畠山氏は鉄の重要性を説き、この運動に科学的なバックボーンを与えたのは、北海道大学教授であった松永氏の植物プランクトンや海藻が窒素やリンなどの栄養分を吸収するためには、鉄分が不可欠であるということ。「森-川-海」のつながりに、命を吹き込んでいるのが鉄である。