森林の違法伐採がやまぬブラジルでは、違法業者や大規模農家が、貧しい住民らを使って森を開拓し、放牧地、農地に変えている。その結果ブラジルの二酸化炭素排出量の約60%が森林伐採が原因という。森林伐採阻止のため、ブラジルは衛星によってリアルタイムで森林の状況を検知する独自の監視システムを構築しているが、雨期になると厚い雲に覆われ宇宙から森林の状況が把握できず、取締のネックになっていた。しかし日本の衛星「だいち」のセンサーであれぱ、雲を通して地上の動きを察知することができる。そこで日本はこの衛星画像をブラジル側に提供し、伐採監視に生かす支援事業を今年6月に開始した。また、ハイテクを駆使した監視だけではなく、森を保全しながら住民が暮していける持続的な開発援助は、伐採防止に不可欠という。