三重県大紀町に神宮別宮の滝原宮があり、この近くに元禄時代から林業を営んでいる12代目当主吉田正木さんは幼い頃から父の後を継ぎ、林業の仕事をすることを夢としていた。学生時代には林業政策なども学び、英国に留学しさらに山が好きになり幼いころの夢が現実の目標と変わった。その間にも日本の林業は悪化し、木材価格は1/3となったが、「木材は再生可能な資源。21世紀には林業が雄飛する」との思いで後を継いだ。現在、経営者として数字に向き合えば、現実は厳しいものであるが、こんなに楽しい仕事はないとも話す。また、140年前に8代目が植樹したスギ、ヒノキの山林16ヘクタールを「将来の木造文化財修復の森」に登録をした。これは、「樹齢200年以上に育って、神社仏閣の修復で大木を必要とするときに役立たせたい」と思ったからである。