伊勢神宮では20年前ごとに社殿を作り変える式年遷宮の伝統がある。これは、 1300年も前から続けられている。1階の遷宮でヒノキの大木が1万本以上消費される。神宮周辺の山々からは次第にヒノキが消えてゆきヒノキが不足するよ うになった。その為、江戸時代に裏木曽一帯(長野県、岐阜県にまたがる木曽)を「御杣山」として定め、ここからヒノキを調達するようになった。明治時代には、明治天皇までに調達の困難さが伝わり、持続できるヒノキの調達を可能にするため、神宮備林においてヒノキを育成することとなる。大正時代末になるとヒノキを育成を伊勢神宮周辺に広がる宮域林において行うこととなり植林が始まった。計画では、樹齢200年以上のヒノキを育成することを目標としている。4千本のヒノキを1ヘクタール単位で植樹。直径30センチほどに育ったところで順次間伐され、100本までになる。残った100本は直径1mになる大樹の候補となる。この森を管理する営林部最年少の中川典之さん(25)は、最初は先輩に連れらて森を歩き、選定技術を先輩より学んだ。昨年より前山地区をまかされている。御杣山は長いリレーのようで、中川さんは「ぼくも走者の一人として、バトンを受け継ぎ、次代へとつなぎたい」と言う。