中国の浙江省にある、跨湖橋遺跡と田螺山遺跡から漆製品の木器が発掘された。 現在まで中国最古とされていた漆製品は、同省の河姆渡遺跡で発掘された6000年前の、朱塗りの漆椀だったが、跨湖橋遺跡は約8000年前、田螺山遺跡は約7000年前と推測されるため、中国最古の漆製品となる。跨湖橋遺跡では2001年に棒状の木製品(長さ121センチ太さ3センチ)が発掘されていたが、最近になって、クワで作った弓が発掘され、そのクワの表面に補強目的と思われる、透明の漆が塗られていた事が判明する。田螺山遺跡では、2004年に円筒木器(長さ39センチ直径11センチ)が発掘された。その円筒木器には、植物油を燃やしたすすを混ぜて着色した黒漆が使われ、丁寧に重ね塗りした跡があり、黒漆では世界最古例と分かった。中国考古学の専門家は、「両遺跡の長江流域では、この後数千年にわたり漆文化が発達している。当時からこの地域で漆芸が広く共有されていたと推測できる」と話した。