歴史的な建築物を修復したり、新しい社寺の建設するのが宮大工である。日本古来の木造建築は釘をほとんど使用せず、木を組み合わせ造られる。解体修理では、いったん全部ばらし、傷んだ部分を復元し元に組み立てるのである。そして建物、部品を復元するだけではなく、雰囲気も当時の姿に戻すのである。そのため、現在では使用されなくなった道具なども使用し忠実に再現するのである。また、木材には建物がどんな災害にあい、だれがどのような修理を施したかなどの過去の記録が書かれているのである。これは、修復履歴などを木材に墨で書き記す「墨入れ」という仕事である。今のように便利な機械もなかった時代に大工たちはさまざまな工夫や努力をして多くの災害を乗り越え頑丈な建物をつくったのである。