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- ID:
-
35562
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0602
- 見出し:
- 「天竜美林」活用へ協議会 2016
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/shizuoka/news/20160601-OYTNT50274.html
- 写真:
- なし
- 記事
- 天竜川流域の木材の利用を促進しようと、浜松市を中心とした県西部地域の110社・団体が1日、協議会を設立した。林業会社、製材会社、建設会社など、川上から川下までの連携を深めることで、地産地消につなげたい考えだ
天竜川流域には、杉やヒノキの「天竜美林」が広がる。日本3大人工美林の一つと呼ばれ、品質の高さから全国的に名高い。戦後や高度成長期に植えた木が本格的な伐採期を迎えたが、木材価格の低迷で十分活用されていないのが現状だ
この森林資源を地域産業の活性化に結びつけようと、浜松信用金庫(浜松市)と遠州信用金庫(同)が協議会の設立を浜松市に提案していた。事務局は市と浜松信用金庫が務める
協議会では、地元材の特徴を川下にあたる建設会社などに知ってもらい、利用拡大につなげていく。住宅だけでなく、民間事業所の内装、家具製品など様々な活用方法を探っていく
浜松市は、環境に配慮した森林管理を証明する「森林認証」の一つ「FSC認証」で、取得済みの森林面積は約4万3500ヘクタールと、全国の市町村で1位だ。協議会では、この特徴を生かすため、FSC認証制度の普及啓発にも取り組む
また、新たな建材として注目されている「直交集成板(CLT)」の利用方法も検討する。CLTは、木目が直交するように板を組み合わせている木材パネルのことだ。分厚くて強度が高く、耐震性や耐火性に優れている。欧米では、マンションなど中高層の建築物で活用が広がっている
協議会の会長となった中村建設(浜松市)の中村信吾会長は「川上から川下までの連携は全国的にも珍しい取り組みだ。木材の地産地消を積極的に進め、大きな産業としたい」と述べた
浜松市の鈴木康友市長も「林業の再生は大きな課題だ。2020年の東京五輪施設では木材がふんだんに使われるので、強力に営業をかけている。追い風が吹いており、天竜地域の山を宝の山にしたい」と話した
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