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- ID:
- 35564
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0602
- 見出し:
- 中川産最高級ミズナラ、ウイスキー樽材に初出荷 樹齢250年超の原木
- 新聞名:
- 北海道新聞
- 元URL:
- http://http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/dohoku/1-0277604.html
- 写真:
- なし
- 記事
- 【中川】町はミズナラの最高級材の市場開拓調査として、町有林からウイスキーの樽用の樹齢250~300年の原木2本を初めて切り出し、北日本木材(旭川)に出荷した。製材の結果、原木から1割程度の樽材が採れた。歩留まりは低いものの、町は「中川から最高級材を出せたことは素直にうれしい
民間を含めて市場開拓の弾みになれば」(産業振興課)と前向きに受け止めている
町は、9割がパルプ材(1立方メートル9千円程度)として流通する道内産広葉樹の高付加価値化に取り組んでいる。昨年12月、1立方メートル10万~20万円で取引される樽用材生産の可能性を探るため、全道から樽材を集荷して本州の酒造会社などに供給する北日本木材の担当者を招いて現地調査を行った。今回切り出したのは、その際に「可能性あり」と診断された2本だ
同社は毎年この時期に、1年間に集めた樽用原木の製材を集中して行う。中川産材の製材は5月23日に実施。長さ3メートルの丸太2本、約1・5立方メートルから樽材0・2立方メートル弱が採れた。状態が良い木でも歩留まりは20~30%とされるが、中川産は十数%にとどまった
同社の磯田博志生産部長は「(歩留まりは)ねじれもあって思ったより悪かった」と評価したが、調査から半年で町内から最高級材を出したことで、試みは一応の結果を出した。高橋直樹町産業振興課主任は「最高級樽材は安定的には出せないが、木の価値をきちんと評価して売る仕組みづくりを進めたい」と話している
ウイスキーの樽材は米国産などの輸入材が主流だが、道内産ミズナラは「長期貯蔵で伽羅(きゃら)や白檀(びゃくだん)の香味が出るジャパニーズオーク」として高く評価される。ただ、ねじれや曲がりがあると、樽の側面に出た導管から液体が漏れるため、樹齢200年以上の真っすぐ伸びた大木が求められる。「銘木市でも千本に1本あれば良いほう。風雪に耐えた木ではなく、すくすく育ったお坊ちゃんのような木が必要だが、極めて少ない」
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