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- ID:
- 44284
- 年:
- 2019
- 月日:
- 0318
- 見出し:
- 厚真 再びサクラ咲け…満開の写真 がれきから
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- https://www.yomiuri.co.jp/national/20190316-OYT1T50173/
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 昨年9月の北海道地震で、大規模な土砂崩れが発生した厚真あつま町吉野地区のがれきの中から、地域のシンボルだった桜が満開に咲いている写真が見つかった。桜の木は土砂で流されてしまったが、住民たちはその写真を見て、「また、あの姿を取り戻そう」と復興への思いを新たにしている
写真が見つかったのは、昨年10月頃。同地区の機械工脇田之正さん(66)が、全壊した自宅の跡地で片づけ作業をしていて見つけた
町によると、吉野地区はかつて「西老軽舞にしおいかるまい」と呼ばれていたが、奈良県の桜の名所・吉野山の風景に似ているなどの理由で1957年に名称変更された
山の中腹にソメイヨシノやヤマザクラなどが点在し、町史には〈住民が(中略)「吉野桜」を中心に一致協力を続けてきた〉と記されている。満開となる5月の大型連休前後には多くの人がバーベキューを楽しみ、住民の心のよりどころと言える場所だった
だが、同地区では19人の死者が出て、桜の木も流された。地震から半年となる今もあちこちで家屋が壊れたままで、深い爪痕が残る
桜の季節も近づく中、犠牲者の多くと親交があり、現在は仮設住宅で暮らす山口清光さん(82)は、「今年はあの見事な桜が見られないのは寂しい。亡くなった人たちのためにも、何とか再生させてほしい」と語る。同町の大坪秀幸理事(59)は「町には桜の写真は少なく、今回の写真は奇跡的に残った貴重なもの。いつか桜そのものを復活させたい」と話している
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