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- ID:
- 四月七、八日には、しいのき迎賓館(金沢市)前で開かれるイベント「春ららら市」で、菊桜の染料を使う加賀友禅のワークショップを開く。(問)工房久恒076(251)7184 41124
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0327
- 見出し:
- 遷宮ヒノキ「3メートル低い」…神宮の林で育成
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20180327-OYTNT50061.html?from=ycont_top_txt
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 伊勢市内に広がる伊勢神宮の「宮域林」を航空機からレーザー計測したところ、式年遷宮用に200年かけ幹直径1メートル超の「大樹」に育てる予定のヒノキが、周囲のヒノキより低いことがわかった。宮域林では独自の育林手法が用いられているが、樹高への影響が判明したのは初めて。神宮司庁営林部の村瀬昌之次長が都内で開催された森林総合研究所(茨城県つくば市)主催の公開セミナーで明らかにした
二重の輪は「大樹」候補の印。受光伐で幹は順調に肥大している(伊勢神宮の宮域林で)二重の輪は「大樹」候補の印。受光伐で幹は順調に肥大している(伊勢神宮の宮域林で) 20年ごとの式年遷宮に必要なヒノキは1万1000本以上で、神宮周辺のヒノキは鎌倉時代までに枯渇した。江戸時代からは長野、岐阜両県にまたがる木曽の天然林で伐採されてきたが、神宮では宮域林の復活を目指し、1923年に森林経営計画を策定。植樹と間伐による人工林づくりを進め、5年前の前回の式年遷宮では約700年ぶりに宮域林のヒノキも使われた
宮域林のヒノキ人工林では、植樹後、約40年までに大樹候補を選定。早く太く育つよう、「受光伐」という手法で周囲を間伐してきた。現在、候補木は約3万3000本に達している
2年前から、地形や育林状況の確認に航空レーザー計測を導入したところ、90年ほど前に植樹された大樹候補の樹高が約23メートルあるものの、「周囲のヒノキより約3メートル低い」ことが分かったという
遷宮では最大直径1・4メートル、最長13メートルの丸太材が必要とされ、太く長いヒノキの育成が課題だ。大樹候補の幹直径は想定より早く90年で60センチに達するなど、「受光伐の肥大成長への貢献は明らか」と村瀬次長。樹高が低かったのは「光を求めて競って上に伸びる必要がなかったためでは」と推測している
今後、他の世代の大樹候補も調べるとともに、樹高の成長鈍化が大樹づくりにどんな影響をもたらすか、森林総合研究所などに研究を委託する方針という。(千田龍彦)◇ 宮域林 内宮の背後に広がる山林。1923年、水源かん養、景観風致の増進を目的に、伐採しない第1宮域林(約1100ヘクタール)、用材育成の目的を加え、ヒノキ主体の針広混交林とする第2宮域林(約4400ヘクタール)に分けた。現在、ヒノキ人工林は約2500ヘクタール
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