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- ID:
- 23402
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0207
- 見出し:
- 三重の被災地「ぴかぴかに」 鹿児島の神村学園野球部
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://www2.asahi.com/koshien/news/SEB201202040052.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- この春の選抜高校野球大会に出場する鹿児島県の神村学園の野球部が、昨年9月、台風12号の豪雨被害に遭った三重県熊野市でボランティア清掃活動をした。練習試合で訪れるなじみの地。部員や監督、コーチが球場や海岸を掃除した。
「床から全部、ぴかぴかにするぞ」。4日午前、熊野市のくまのスタジアム。山本常夫監督(51)がぞうきんやほうきを43人の部員に配り、声をかけた。部員たちはぞうきんを冷たい水にぬらし、窓や机、トイレを拭いたり、ベンチの側溝にたまった砂をほうきでかき出したりした。
スタジアムがある山崎運動公園は台風に伴う豪雨や川の増水で約13ヘクタールの敷地すべてが水に沈んだ。球場も高さ70センチまで水につかり、放送設備やトイレの浄化槽なども使えなくなった。
「普段は野球漬けだが、災害からの復興に時間がかかることや、自分がそこにいたらどうなったか考えてほしかった」。そう話す山本監督は阪神大震災を経験した。東日本大震災が起きた昨年3月、夏の甲子園に出場したら被災地へ支援に行くと目標を掲げ、実際に甲子園の土を踏んだ。
その後だ。台風12号が紀伊半島を襲った。神村学園は4年前から毎年11月、熊野市である「くまのベースボールフェスタ」に出場してきた。この冬は熊野での清掃活動を決め、1月28日から合宿している。
4日は練習を休み、丸一日を掃除に充てた。午後は大泊海水浴場に漂着した3メートル以上もある丸太、木の根を集めた。大泊区長の向井弘晏(ひろやす)さん(70)は「住民の手に負えないほどある。とても助かる」と感謝した。
掃除後、弥栄(みえ)翼主将(17)は「部員の一体感も強まったと思う」。山本監督は「ボランティアを通して少しでも苦しい体験をしている人の気持ちをくみ、選抜では元気を送れるようなプレーをしてほしい」と話した。
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