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- ID:
- 23073
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0104
- 見出し:
- エネルギー最前線:創意工夫でつくる未来(その2止)
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元URL:
- http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20120101ddlk34020102000c.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 三次 日本ロケットストーブ普及協会代表・荒川純太郎さん
◇“ぬくもり”に魅せられて
「従来のまきストーブに比べて、わずかな木材しかいらず煙はほとんど出ない。環境にも優しい」。福島原発事故後、注目される「ロケットストーブ」。市民団体「日本ロケットストーブ普及協会」(http://www.pionet.ne.jp/~kyoseian/rocket.html)代表、荒川純太郎さん(69)=三次市三和町=が解説する。
たき口でまきが燃えた熱は上昇し、大きさの違う二つのドラム缶の間を通り煙突から外へ。間伐材や廃材などを加工せず燃料に使え、熱せられたドラム缶の上では煮炊きもできる。一斗缶などで簡単に製作できる。
牧師の荒川さんは99年に広島市から移住。中国山地の自然の中で農業を営む。05年に訪れた米国でロケットストーブを知った。森からのエネルギーを有効活用でき、石油や電気のストーブにない「ぬくもり」に魅せられた。排気管を土や石で囲うと、床暖房の椅子やベッドに。「ロケットストーブが醸し出す
暖かな空間では会話も弾む。原発や化石燃料に頼らない生活を楽しんでは」と提言する。【村本聡】
◆府中市 自然エネルギー機器を普及、石岡敬三さん
◇「自作の電気はいとおしい」
屋根に据え付けられたガラスの筒。内側の黒いタンクを太陽光で照らした熱で水を温め、入浴に使う。隣には太陽光発電パネルも。府中市の石岡敬三さん(55)は「脱原発」の暮らしのため、自然エネルギー機器の施工、販売を手がける。
学生だった1978年、核兵器廃絶を訴える東京-広島の平和行進に参加し、初めて原発に関心を持った。使用済み核燃料の問題などを知り、「核の平和利用はありえない」と考えるようになった。
大工仕事をしていた87年に渡米。太陽光や風力など自然エネルギーで現実に生活している人たちと出会い、衝撃を受けた。帰国後、国内に少なかった太陽光発電パネルを探し、90年、当時住んでいた埼玉県の自宅で太陽光発電を始めた。パネルを増やし、自宅の電気は全て太陽光に。94年8月6日、
東京電力との契約を解除した。「夜はテレビの画面が暗くなって消える。ろうそくで入浴したことも。晴れた日は洗濯機や木工機械をガンガン使える。質素でも楽しい生活でした」
96年に故郷の府中市に戻り、自然エネルギーのワークショップも開く。「自分で作った電気はいとおしい。必要なものは自分で作ることが、これからは大切では」
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