v10.0
- ID:
-
23398
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0207
- 見出し:
- ブドウの剪定枝で炭
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20120206-OYT8T00355.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 忍野のNPO有効活用 地鶏焼き鳥にも
「ブドウの枝で作った炭は焼き鳥と好相性。山梨の新グルメを発信していきたい」と意気込む小野さん
忍野村のNPO「なごみの輪」(大森最理人会長)が、農家が処分に手を焼いているブドウの剪定(せんてい)枝を使う炭作りを始めた。「甲州葡萄(ぶどう)炭」として商標登録し、炭焼きの甲州地鶏と甲州ワインを組み合わせたメニューを広める計画もある。ブドウの生産量日本一を誇る山梨県から、調理の熱
源にもブドウを使う新グルメが生まれる可能性が出てきた。
ブドウ農家の多くは、毎年12月から翌年1月頃にかけて剪定し、畑に散乱した枝を野焼きする。火災につながることも少なくない。甲州市塩山牛奥の「奥野田葡萄酒醸造」のブドウ畑1・5ヘクタールでも、毎シーズン約1500キロの枝を処理する。中村雅量社長(49)は「有効活用できないか」と悩んでいる。
そんな現状に目を向けた同NPOは昨年3月、ブドウ農家から剪定枝を譲ってもらい、笛吹市の「弦間林業」に依頼して試験的に炭を約15キロ作った。同社の弦間和仁社長(39)によると、ナラなどと比べてブドウの枝は細く、節があり、灰になりやすいため焼き加減が難しい。弦間社長は「何倍も手間が掛か
った」と話す。
翌月、この炭を使って忍野村のイベントで焼き鳥を販売。同NPO理事でソムリエの小野章英さん(37)は「通常の炭よりも着火が早く、炭からパチパチという音がするため、焼き鳥のにおいと煙に加えてお客さんの聴覚も刺激していた」と手応えを感じた。
今後は「甲州地どり生産組合」(笛吹市)などを通じて、東京や県内の甲州地鶏を扱う飲食店にブドウの炭を売り込んでいく計画だ。
小野さんは「提供するワインと同じ品種の木から作った炭で焼く甲州地鶏。面白いサービスになる」と期待を込めている。
同NPOは、2月11日に甲州市勝沼町のブドウ畑で剪定枝を集めるボランティアを30人募集している。同日午前11時に中央線「勝沼ぶどう郷駅」に集合。申し込みは小野さん((電)090・1431・5857)へ。
..