v10.0
- ID:
- 24612
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0621
- 見出し:
- 6年地中でも香りそのまま 紀州ヒノキ
- 新聞名:
- 紀伊民報
- 元URL:
- http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=233677
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 紀州産ヒノキは、6年間地中に埋まっていても、芳香や耐久性のもとになる精油(フィトンチッド)を抽出できることが、和歌山県林業試験場(上富田町)の実験で分かった。試験場は「埋設木を切断するとヒノキ独特の香りがした」と話している。
精油は揮発性物質で、香り成分のほか、殺ダニや殺蟻成分、抗菌成分など、さまざまな有効成分が含まれている。
試験場では、天然乾燥と人工乾燥の柱材、間伐丸太、根株、屋外に埋設した丸太を使い、それぞれの心材(赤身)から作った大鋸粉(おがこ)を熱水で蒸留して精油を抽出した。
この結果、最も精油含有量が多かったのは埋設木の3・7%、少なかったのは柱材(天然乾燥)の1・1%だった。これは個体差の範囲内とみており、県産ヒノキの精油含有量は心材部分で2%前後と考えているという。色は無色透明に近い淡黄色から濃い黄色までさまざまで、粘り気にも個体差がみられた。
埋設丸太は、周りの白太(しらた)と呼ばれるところは完全に腐ってなくなっていたが、心材は元の形に近い状態で残っていた。
山裾伸浩主査研究員は「県産ヒノキは紀州材のブランドで高値で取引されており、精油も価値を高めている一因だろう」と評価している。
【6年間地中に埋没していたが、においはそのままのヒノキ(和歌山県上富田町生馬で)】
..