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- ID:
- 24298
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0516
- 見出し:
- 短い工期、低コストの木橋 新工法で仮設周辺整備
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20120515-OYT8T01430.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 大槌町と秋田県立大学木材高度加工研究所(秋田県能代市、木工研)が今月、東日本大震災の復興事業を巡る連携協力協定を結んだ。木工研などでつくる研究チームが木材を現地調達し、短い工期で低コストの木橋を造る「オンサイト工法」を開発。今後、同工法を生かし、町内の仮設住宅周辺を整
備する。
同町によると、仮設住宅周辺では、住宅と駐車場が川を挟んで離れているなど、住宅周辺の環境整備が追いついていない。同町地域整備部の土橋清一部長は「短い橋を1本架けるだけで、仮設住宅の利便性は大きく向上する」と期待を寄せる。既に、同工法を用いた木橋の建設計画を進めている。
木工研の佐々木貴信准教授は「新工法は費用が安く、復興事業が進む被災地に有効。木材を資材とする公共工事が増えれば、新たな雇用も生み出せるのではないか」と話す。
碇川豊町長は10日の協定調印式で、「木工研の指導を受けながら、町の森林資源を活用し、世界に誇れる美しい町に復興させたい」と述べた。
木工研によると、木工研と秋田大学工学資源学部などでつくる研究チームが、同工法を開発した。分解してクレーン付き2トントラックで運び、30分で組み立てできる移動式製材機を現地に運び込み、その場で、ホームセンターなどで購入できる建設資材にする角材を製材。鋼板の上下を製材で挟むように
して橋げたを造る。14トントラックの通行が可能という。製材の現地調達で資材の輸送コストを大幅に削減できる。橋の工期が短いのも画期的という。
研究チームは昨年7月、秋田県三種町で、同工法を用いた橋の架け替え工事の実証実験を行った。町内で切り出した木材を製材後、作業員6人で、幅約3メートル、長さ6・3メートルの橋を1日で完成させた。
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