v10.0
- ID:
- 24184
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0502
- 見出し:
- “熊野古道”の新しい楽しみ方発見!
- 新聞名:
- ZAKZAK
- 元URL:
- http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120502/dms1205020702000-n1.htm
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 今から100年前、「生物と環境は相互に影響をあたえあい存在するもの」と、エコロジー論(生態学)を提唱し、神社の合併政策によって失われようとしていた鎮守の森を守った天才学者、南方熊楠。その生誕地である・和歌山・田辺を訪ねた。熊楠の足跡をたどった後は極上の温泉につかり、歩くだけではない
熊野古道の新しい楽しみも発見。和歌山の旅を満喫した。(温泉観光士/温泉ソムリエ・板倉あつし)
柳田国男は熊楠の天才ぶりを「日本人の可能性の極限」と評した。その研究は、植物学以外に民俗学、天文学、哲学にまで及んだ。2006年に開館した「南方熊楠顕彰館」は熊楠存命時の状態に復元された母屋や、熊楠の文献、研究資料などを興味深く観察する観光客でにぎわっている。
そんな熊楠のエコロジー活動なくしては残らなかったとも言われる熊野古道の散策はいま、この地域の観光の目玉商品として知られている。
ただ、財団法人「和歌山健康センター熊野」の健康ラボのスタッフと歩く古道は、普通のウオーキングとはちょっと違う。今回は取材に合わせたショートプログラムだったが、そこかしこに健康、リラックス、癒やしの要素が含まれていた。
古道から少し森に入り、杉の間伐材で作られたベンチに寝転んで、少しの間目をつむり、風の音や森のざわめきに耳を傾ける。目を見開くと、そこには見たことのない木立越しに見る空。樹木が発するという“癒やしの成分”フィトンチッドいっぱいの新鮮な空気も最高の健康食品だ。
カラダに効く温泉に事欠かないのも、この地域の売り物だ。開湯1800年、日本最古の温泉とも呼ばれ、熊野詣の湯ごり場(参詣の前に湯で身を清める場所)でもあった湯の峰温泉の「つぼ湯」は、世界遺産で唯一、今も入浴することができる希少な存在だ。
つぼ湯の入浴料は750円(30分入れ替え制)だが、この金額で湯の峰温泉公衆浴場(つぼ湯と同泉質)にも入浴できるからリーズナブルだ。その泉質は含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉で、泉質別適応症は、きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病のほか、糖尿病、高血圧症
、動脈硬化症などの生活習慣病にも効果が高い。
宿泊した川湯温泉「山水館 川湯温泉みどりや」は、昨年12月の台風では大きな被害を受けたが、今では元気に営業している。みどりやの泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉で、泉質別適応症は、きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など。飲泉許可も取られており、飲用の適
応症は慢性消化器病、慢性便秘、痛風、肝臓病などに効果が高い。
大塔川の清流を望む露天風呂は河原にあるので川面と同じ低い目線で大自然が満喫できる。湯浴み着が用意されているので女性も堂々と混浴を楽しめる。平日2人1室1万4000円~で、温泉を楽しむにはトップクラスの宿である。
■アクセス 東京からは羽田空港-南紀白浜空港が約1時間。南紀白浜空港から、バスまたはタクシーでJR白浜駅へ。JR白浜駅から電車でJR紀伊田辺駅へ
大阪からは新大阪駅から、JR西日本くろしお号で紀伊田辺駅下車(特急で約2時間)
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