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- ID:
- 24143
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0425
- 見出し:
- 若松橋:松杭 姿現す縁の下の力持ち
- 新聞名:
- 琉球新報
- 元URL:
- http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-190429-storytopic-5.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 那覇市の潮渡川に架かり、松山2丁目と前島3丁目を結ぶ「若松橋」の架け替え工事現場で、リュウキュウマツの杭(くい)がこのほど発見された。コンクリート製の杭が主流となった現代では珍しくなった松杭。56年間の時を経て、那覇の交通を支えてきた「縁の下の力持ち」が姿を現した。
若松橋は1956年に建設された。戦後間もない当時、建設資材が乏しい中、松やにを含む松は、耐水性に優れ、水中や粘土層では腐りにくいとして、基礎工事の杭として県内で広く使用されていた。発見された杭は長さ約3・8メートルが7本。建築史に詳しい琉球大工学部の小倉暢之(のぶゆき)教授は「
当時はまだコンクリートの杭は出始めだったので、木製の杭を使うのが一般的だった。イタリアのベネチアもアルプスの木を杭として使用している。松杭など木製の杭は水中や泥中など酸素に触れない状態だと『冷凍保存』と同じ状況で腐りにくい」と松杭の特徴を説明した。
50年代に県内で建設された建築物の基礎部分からは松杭が度々、発見されている。
県外では東京駅の丸の内駅舎の基礎部分などから百年前の松杭が発見され、歴史を伝える素材として、ベンチの一部や積み木などに再利用されている。
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