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- ID:
- 49601
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0201
- 見出し:
- 名物の桜 最後の開花へ
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20110201-OYT8T00063.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 日暮里「夕やけだんだん」
昨年、見事な花を咲かせた桜。今年も多くの人が花見を楽しみにしている(住民の大島盛巨さん提供)
倒木の恐れがあるとして伐採を検討していた、荒川区西日暮里の階段坂「夕やけだんだん」近くの桜について、都は今年咲く花が散った後に伐採することを決め、31日、地元住民に伝えた。樹齢60年以上とみられ、多くの人に愛された桜は今春で見納めになる。今後、都や荒川区は地元住民と話し合いな
がら、接ぎ木などで「次世代」を残す方法を探っていく。地元住民は惜しみながらも「最後に立派な花を咲かせてほしい」と話している。(中村隆)
この桜については昨年12月に樹木医の検診が行われ、幹の内部が腐食して大きな空洞があるなど、倒木の危険が高いことが判明。都と区が1月18日、「伐採が必要」とする見解を住民に伝えたところ、「今春にもう一度、花を咲かせてからにしてほしい」などの声が相次いだ。
31日は都と区の担当者が桜に支え木などの処置をした上で、桜が散るまでは伐採を行わない方針を説明。存続を求めていた一部の住民からも同意を得られた。
都有地に植えられている桜は現在、すぐ脇にある「夕やけだんだん」の標識にもたれかかるような形で区道に大きくせり出している。昨年は傾きながらも見事な花を咲かせ、今年もすでに新芽が顔を出した。都と区は現在、「通行注意」と書いた紙を掲示し、木のすぐ下を通れないようにするためカラーコーンも
設置している。
都では住民から「接ぎ木や挿し木で『次世代』を育てたい」との要望が寄せられたため、枝を提供することを検討。さらに伐採後、イスなどを作るための木材として提供することも考えている。区も住民の要望があれば区道の一部に「次世代の桜」を植える場所を設けることを検討するという。
住民への説明後、都は「倒木の危険がある中、地元の要望にどう応えるか難しかったが、何とか納得してもらえる形になってよかった」と話している。
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