v10.0
- ID:
- 51735
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0930
- 見出し:
- 焼け跡をさまようアフリカゾウ
- 新聞・サイト名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000001109290002
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 地球規模の環境破壊を研究している福山市立大学の福田正己教授(67)が今月、アフリカの森林火災の現場を調査した。乾期に多発した火災跡で目撃したのは、えさを求めてさまようやせ細ったアフリカゾウの姿。福田教授は「温暖化をもたらす世界の森林火災の実態を広く知ってもらいたい」と話し、授業な
どで取りあげていくつもりだ。
福田教授がアフリカ入りしたのは今月9日。マラウイの首都リロングウェの空港に降り立ったときすでに、空は煙がたちこめ、木々の焦げる臭いがただよっていたという。
17日に調査で向かったマラウイ中部のカスング国立公園では、今年の乾期で少なくとも500ヘクタールが火災で焼けてしまったという。焼けこげた森の中で出くわした1頭のアフリカゾウは、木の葉を求めてはいかいしていたらしく、やせ細っていた。
同公園の管理者の説明によると、1970年には約2千頭生息していたゾウは150頭ほどに激減。火災で森林が破壊されているうえ、密猟が追い打ちをかけたという。
調査は19日に終えた。福田教授によると、アフリカの森林火災の原因は、まきを燃料とする人たちの失火や、狩猟などで森に入る人たちの放火とみられ、「100%人災」だという。森林火災はシベリアやアマゾン、インドネシアでも深刻だが、最もひどいのはアフリカで、世界の森林火災の焼失面積の5割近く
に及ぶと福田教授は見ている。
福田教授は「まきをとりにいくのは貧しさゆえ。日本でも、経済面の援助や、森林火災をいち早く確認するための支援策などを検討する必要がある」と話している。
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