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- ID:
- 49578
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0128
- 見出し:
- 樹齢300年の木受け継ぐ 中標津
- 新聞・サイト名:
- 北海道新聞
- 元URL:
- http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/270424.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 広陵中(小野寺宏二校長、生徒数241人)は、同校のシンボルで立ち枯れが進むイチイ(オンコ)の木を後世に受け継ごうと、枝を苗木に接ぎ木して遺伝子を守る取り組みを始めた。26日には独立行政法人森林総合研究所林木育種センター北海道育種場(江別市)から職員3人が訪れ、小枝を採集。接
ぎ木が成功すれば、3年後に同校に「里帰り」する予定だ。
イチイの樹齢は推定300年。高さ約8メートル、枝の両端は約6メートルある。1984年に標津町古多糠の山林から同校の生徒玄関前に移植されたという。
同校敷地内にある2本のイチイの木とともに「三支(さんし)の松(き)」として学校のシンボルとなっているが、7、8年前から枯れ始め、一部の葉が残るのみ。保護者や教諭から「あとどのくらい生きる?」「危険ではないのか」などと心配されていた。
水野正司教頭は根室振興局林務課に相談。巨木や銘木の遺伝子を残す「林木遺伝子銀行110番」という仕組みが林木育種センターにあることを知り、依頼した。道東での利用は初めてという。
この日は同センター職員が先端5センチほどを切った小枝を数本採集。センターが用意した、5年ほど育っている苗木に5月に接ぎ木する。遺伝子が同じクローンとなるため、同センターの高倉康造遺伝資源管理課長は「このイチイと同じく長生きし、枝ぶりのきれいな木になる可能性がある」という。
イチイは広く根を張っているため、枯れても「倒れる心配は少ない」(高倉課長)という。一部生きている部分もあるため、水野教頭は「切らずにクローンが来るまで様子を見つつ、苗木が来たら近くに植えたい」と話している。
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