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- ID:
- 51197
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0803
- 見出し:
- 被災児宛てに元気の絵手紙
- 新聞・サイト名:
- 西日本新聞
- 元URL:
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/256537
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 小郡市内の小学1-6年生21人が、夏休みに特別開催された絵手紙教室で、東日本大震災で被災した宮城県石巻市立大川小児童を励ます木製の絵手紙を作った。不明者を捜す自衛隊員宛てに大川小の女児が書いた感謝の手紙に感銘を受けたという、小郡市稲吉の日本絵手紙協会公認講師の山
川寿子さん(73)が指導。山川さん自身も「絵手紙で被災児童の心を少しでも元気付けることができれば」と絵筆を握った。
「つなみのせいで、わたしのおともだちがみんなしんでしまいました。じえいたいさんががんばってくれているのでわたしもがんばります」
全校児童108人の約7割が死亡・行方不明となった大川小の女児が書いた手紙が、被災地で活動する自衛隊員の心の支えに-。そんな記事が本紙5月1日付朝刊に掲載された。
元小学校教諭の山川さんは大川小の惨事に心を痛めるとともに、手紙が持つ力にあらためて気付かされたといい、自身の絵手紙教室の生徒たちが書いた励ましの絵手紙を6月下旬に大川小と女児宛てに送った。
その後、女児の母親から「親も子もわらにも縋(すが)る思いで書きました。つらいのは自分たちだけと思わず、まわりを見てしっかりしなければと思います」などとつづられた礼状が届き、被災地で力強く生きる親子の姿に感銘を深めたという。
そうした折に、小郡市立図書館から夏休みの児童を対象にした教室開催の依頼を受け、九州の児童から被災児童へ励ましの絵手紙を届けようと思い立った。
7月26日に教室を開催。被災地の写真などが掲載された新聞を張り出して、絵手紙づくりに臨んだ。
寄り添う二つのトマトの絵に「なかよくすごしてください」、鮮やかな黄に輝く太陽に「ニコニコえがおでね」、目を潤ませて並ぶカエルたちの絵とともに「心一つにうたお」-。参加児童たちは、ぬくもりが感じられるという杉の板に、墨や絵の具で、思い思いのメッセージを寄せた。
赤く大きなリンゴを見ながら、「いまは小さくてもがんばり続ければいつかきっと大きくなります」とつづり、小さな青いリンゴを描いたのは小郡市立のぞみが丘小6年の児童(12)。
当初は大震災の報道を見て、怖くて泣いていたという児童は「被災した人たちはいま、努力をいっぱいしていると思う。一人一人の努力がいつか大きな力になって町が元の姿に戻るといいな」との祈りを込めた。
「子どもたちは絵も言葉も大人にはない率直なもので、どれもすばらしい」と目を輝かせた山川さん。絵手紙は山川さんが集めた義援金とともに大川小宛てに送られる。
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