v10.0
- ID:
- 50704
- >年度
- 2011
- >月日:
- 0609
- >見出し:
- ナラ枯れ樹木を活用 柏原の企業が殺虫装置開発
- >新聞・サイト名:
- 神戸新聞
- >元URL:
- http://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/0004152026.shtml
- >写真・動画など:
- 【写真】
- >記事内容
- 昨夏、全国の里山を枯れ木で赤く染めた「ナラ枯れ」。被害に歯止めをかけようと、丹波市柏原町柏原の装置企画開発会社「JTトライアングル」=岩崎正輝社長(63)=が木を蒸し焼きにして殺虫する装置を開発した。作業に時間がかかる薬剤防除と異なり、処理した木をすぐにまきやチップで使えるのが
利点といい、効果を検証し、実用化を目指す。(阿部江利)
ナラ枯れは、体長約5ミリの「カシノナガキクイムシ」が木に侵入し、内部を腐らせる菌を持ち込むことで起きる。被害の拡大を防ぐため、現在は枯れた木を伐採し、薬剤で蒸している。だが、搬出に手間がかかることに加え、薬剤が効くまでに2週間以上必要で、作業への負担が大きかった。
同社は約5年前、木材を効率的に運び出す搬出システムを開発し、今年5月には特許も取得した。伐採現場からふもとまで特殊なロープを張り巡らせ、木をぶらさげて運び出す。まず、この技術を、枯れた木の搬出に使うことを提案した。
さらに、被害を受けた木をすぐに活用できる方法を模索し、半年がかりでコンテナにかまどを外付けした薫製装置を試作した。かまどでまきを燃やし、煙のススで被害木の表面を覆う。すると、遠赤外線の保温効果で木の中心部の温度が約60度まで上がり、木に潜む虫を駆除する仕組み。成木2~3本分
なら2~3時間で処理可能な上、製紙の原料やまきとしてすぐに利用できるという。
岩崎社長は「ナラ枯れ樹木を資源として活用できれば、エネルギーの地産地消の一助にもなる」と力を込めた。
..