v10.0
- ID:
- 50670
- >年度
- 2011
- >月日:
- 0607
- >見出し:
- 節電の夏 こだわりマイうちわで快適&粋に過ごそう
- >新聞・サイト名:
- ライフプランニング
- >元URL:
- http://woman.excite.co.jp/lifeplanning/news/rid_30437/
- >写真・動画など:
- なし
- >記事内容
- 節電が呼び掛けられるこの夏は、扇風機よりさらに省エネな「うちわ」が注目を集めるかもしれません。風をおこす機能はもちろん、様々な色や形があるうちわは、見た目の美しさや楽しさもある夏の粋なアイテムです。
●伝統のうちわ
「日本の三大うちわ」というのをご存知でしょうか?京都の「京うちわ」、四国の「丸亀うちわ」、そして南房総の「房州うちわ」、この3つが「日本の三大うちわ」と呼ばれています。
京都の「京うちわ」は、中骨と一体ではなく、後から取り付けられる木製の柄が特徴です。南北朝時代に倭寇によって西日本にもたらされた朝鮮うちわが、紀州から大和を経て、京都の貴族たちの別荘地だった深草に伝わったのが始まりと言われます。
四国の「丸亀うちわ」は、竹を割って平らに削ってある柄が特徴とされています。四国の金比羅参りの土産物として朱赤に丸金印の渋うちわが考案されたこと、また、江戸時代中頃に、丸亀藩が藩士の内職として奨励したことがうちわ作りの土台となっています。
南房総の「房州うちわ」は、竹の丸みそのままを活かした「丸柄」と、48~64等分に割いた骨を糸で編んで作られる半円で格子模様の「窓」が特徴のうちわです。明治17年(1885年)に生産が始められました。
この他にも、伝統的なうちわは日本各地で作られています。地元や旅先で、ご当地うちわを探してみるのも楽しいかもしれませんね。
伝統的なうちわの作り方をご存知でしょうか?ここでは、房州うちわの作り方を例にみてみましょう。
まずは原料となる竹の伐採です。原料には良質の女竹(大名竹・篠竹)が用いられ、虫がつかず肉が締っている10月から1月の寒い時期に伐採されます。一定の太さになっている部分が必要とされるうちわ用の竹は、1本の長い竹からほんの2、3本分しか取れないそうです。
伐採された竹は、21もの工程を経て、手作業でうちわに仕上げられていきます。まずは竹の皮をむき、水洗いして磨き上げます。次に、竹を割り、柄の部分に穴をあけ、糸で骨を編んでいきます。柄を一定の寸法に切ったら、空洞に柳の枝を詰め込みます。さらに、柄にあけた穴に弓を差し込み、編み終えた糸
の両端を弓に結んで、扇形にひらいた骨組みが完成します。骨の曲がりを直すためにコンロで焼くなどした後、紙や布を両面から貼り、はみ出した骨を裁ち落としていきます。そして、うちわのふちはふちとりの紙を貼って整え、柄の尻には胡粉を盛って丸みを持たせます。最後に、ローラーできっちりとおさえて
仕上げます。(参考:房州うちわ振興協議会ウェブサイト)
多くの手間をかけて作られる伝統のうちわは、美しさはもちろん、丈夫さも兼ね備えているので長く使っていくことができます。現在、安価なプラスチック製のうちわが多く出回っていますが、職人技を楽しめるこだわりの1本を手に入れて大事に使うというのも、エコかつ粋ですよね。
●世界で1本、お手軽手づくりうちわ
「なかなか好みの絵柄のものが売っていない」「他人と同じ絵柄は嫌」という人には、パソコンで好みの絵柄を印刷できる「手づくりうちわキット」はいかがでしょう。
キットは文房具店や画材店、大型電器店などで数百円で販売されています。プラスチック骨のもの、竹骨のもの、動物型の骨のものなどがあり、紙が張っていないうちわの骨と、うちわの形に切りこみが入っている白無地のラベルが2~3枚入っています。パソコン上でお気に入りのイラストや写真をテンプレート
に配置し、インクジェットプリンタでラベルを印刷後、ラベルをうちわの骨に貼り合わせるだけで完成。簡単に自分だけのオリジナルうちわを作ることが出来ます。
絵心のある人だったら自作の涼やかなイラストを印刷して暑中見舞いとして配ったり、旅好きな人だったら旅先で撮った美しい風景を印刷してお土産代わりにしたり、子どもがいる人は子どもの写真を印刷して親戚へ贈るなど、自分用だけでなく、ちょっとしたプレゼントとしても使えそうですね。
●東北支援のうちわも
関東大震災で被害を受けた東北地方を応援するうちわも登場しています。
株式会社クレコ・ラボの「木のうちわ」は、宮城県の登米町森林組合の協力のもと、スギの間伐材を活用して作られたうちわです。スギ材を薄くスライスして作られており、木の風合いを直に楽しめる仕様になっています。
主に、企業が配布するノベルティや、アーティストとのコラボレーションうちわとして製作され、売上の一部は日本財団の東日本大震災支援基金「ROADプロジェクト」に寄付されます。それだけでなく、森に余っている森林資源(間伐材)を活用することで、被災地復興と森林再生を同時に実現することができ、東
北地方の雇用促進にも繋がるとされています。森も、東北地方も、もらった人もうれしいアイテム、というわけですね。
うちわと一言で言っても、その種類はさまざま。本格的な夏を前に、あなたもお気に入りのうちわを探してみてはいかがでしょうか。この夏はマイうちわを持って、節電に励みつつ暑さを乗り切りましょう。
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