v10.0
- ID:
- 50625
- >年度
- 2011
- >月日:
- 0601
- >見出し:
- 粉末燃料:がれきから生成「被災地で活用して」 静岡大などが装置開発
- >新聞・サイト名:
- 毎日新聞
- >元URL:
- http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110531ddlk22020118000c.html
- >写真・動画など:
- なし
- >記事内容
- 静岡大などの研究グループは26日、浜松市内で会見し、木材、生活ごみ、プラスチックが混在した廃棄物に高温、高圧の水処理を施し、粉末燃料をつくる装置を開発したと発表した。処理に適した廃棄物の選別や破砕が必要だが、東日本大震災でもたらされた大量のがれき対策に有効だとして、被災地の
複数の自治体に稼働を打診中だ。
同大大学院創造科学技術研究部の佐古猛教授(化学工学)によると、塩分を含む木材▽生活ごみ▽野菜くず▽廃プラスチックの混在したがれきを、10~16気圧で180~200度に熱した高温高圧の「亜臨界水」とともに容積300リットルの試験用タンク内で20~30分間かき混ぜ、乾燥させて低塩分濃
度の粉末燃料を生成することに成功した。
今年3月に技術の骨格は完成していたが、津波災害でできた塩分濃度の高いがれきを材料にした場合の装置の腐食や、生成された燃料から出る有毒ガスを考慮。さらに2カ月かけて、がれきから塩分を抽出する技術を開発した。
作られる粉末燃料は石炭並みの燃焼度を持ち長期保存が可能。装置を動かすエネルギーを100とすると、生成される燃料のエネルギーは150となる。さらに処理後には塩水が残るだけだ。
共同開発した藤村通商(愛知県一宮市大和町馬引)によると、実用タンクは約30立方メートル(直径約2メートル奥行き約2・5メートルの円筒形)で、トレーラー1台で輸送できる大きさという。
ただ、有害物質のダイオキシンが出ないよう、事前にがれきから塩化ビニール起源の物質を取り除いたり、タンクに入る大きさに破砕する作業が必要。使用する水からカルキを抜く装置も設置しなければならない。
佐古教授は「数億円の初期投資があれば直ちに実用化できる。被災地で活用してほしい」と話している。
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