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- ID:
- 50614
- >年度
- 2011
- >月日:
- 0601
- >見出し:
- 思い出の大樹に別れ 夕焼けだんだんの桜伐採
- >新聞・サイト名:
- 東京新聞
- >元URL:
- http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20110601/CK2011060102000016.html
- >写真・動画など:
- 【写真】
- >記事内容
- 荒川区西日暮里の名物階段「夕焼けだんだん」を見下ろす高台に生えていた通称「だんだん桜」が三十一日、伐採された。地元住民らは、階段上に一本だけ高く伸びて、地域を見守っていた大樹との別れを惜しんだ。
谷中銀座商店街を見下ろす区道脇の都有地に根を下ろした木は、推定樹齢六十年。都は「中が腐って倒木の恐れあり」として昨年末に伐採を決めたが、地域の要望を受け延期。住民らは四月、満開の桜の下で花見を楽しんだ。
この日の作業は午前九時から約三時間かけて行われ、近所の人ら約五十人が見守った。加工して使えそうな枝や幹の丸太などは、希望者に配布された。
木材の端材でコースターなどを作り、週末に階段近くの露店で販売している外門勉さん(63)は「根元は老木でも、先端部の樹皮にはツヤがある。愛着ある人たちのため作品にしたい」と枝を集めた。
桜の木の向かいで酒店を営む大島繁巨(しげお)さん(42)は、七年前に長女が生まれたとき、満開の桜にちなみ、凜桜(りお)ちゃんと名付けた。「ぽっかりあいた空を見て、ずっと一緒だった木はもうないんだなと思った。せめて思い出にベンチを作りたい」と話した。
都は、桜の接ぎ木を都東部公園緑地事務所(台東区)で育てている。成長したら「上野桜守の会」が管理する桜の苗床のある水元公園(葛飾区)に移植するという。大島さんらは「時間はかかると思うが、いつかまたここで花を咲かせてほしい」と夢見ている。
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