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- ID:
- 50546
- >年度
- 2011
- >月日:
- 0525
- >見出し:
- 神河・新名物 アルプホルン
- >新聞・サイト名:
- 読売新聞
- >元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20110524-OYT8T01236.htm
- >写真・動画など:
- 【写真】
- >記事内容
- 神河町で、ヒノキやスギの間伐材で民俗楽器「アルプホルン」を作り、町の新名物にしようとする取り組みが始まった。今春に第1号のホルンが完成。将来は町民参加の演奏会の開催を目指す。町では林業の低迷が原因で、山林の荒廃が進んでおり、関係者は「ホルン作りで間伐材を有効活用して、美しい
山の復活につなげたい」と意気込んでいる。(矢尾隆行)
アルプホルンはヨーロッパのアルプス地方に伝わる全長約3・5メートルの吹奏楽器。指穴がなく、唇の動きで音程を調節する。その特徴的な外観と遠くまで響く低音で、高原地帯を象徴する楽器として知られている。
同町猪篠の「神崎農村公園ヨーデルの森」で企画広報を担当する宮元隆さん(48)と、友人で同町中村の製材業、手塚正徳さん(53)が昨年夏、間伐材の活用策を話し合っていて、宮元さんが約10年前に見たアルプホルンを思い出した。「神河町の高原の雰囲気にぴったり」と意気投合。昨年11月、製
作に取りかかった。
ホルンの先端にはスギの曲がった根元部分を、残りの部分は柔らかくて削りやすいヒノキを使用。木をくりぬく加工ではミリ単位の精度が求められるため、削りすぎては補修材で埋め戻す作業を繰り返し、約5か月間かけて完成させた。
3月からは同公園内で不定期に演奏体験イベントを実施。来園者の多くがアルプホルンに触れるのは初めてで、「音を出すのが難しいけれど面白い」「手作りできるのか」などと興味津々だという。手応えを感じた2人は、製作や演奏の講習会を企画。町や町商工会も支援に動き出し、普及への機運が高ま
りつつある。
町は面積の8割を山林が占める林業の盛んな地域だが、1970年に合併前の旧神崎、大河内の両町で計約1万5000立方メートルあった木材生産量は、海外産に押されて2005年には4割に低下。担い手も減り、間伐されずに放置される山林が目立つようになった。
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