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- ID:
- 50451
- >年度
- 2011
- >月日:
- 0513
- >見出し:
- 熟練の技 高校生に伝授
- >新聞・サイト名:
- 読売新聞
- >元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20110512-OYT8T01202.htm
- >写真・動画など:
- なし
- >記事内容
- 県教委は、広島が誇る「ものづくり」の担い手を育成する事業を進めている。団塊世代の大量退職で熟練工が減少し、放っておいては継承が難しくなるためで、工業系公立高校の生徒を対象に昨年度から、県内外の優れた技術者から直接指導を受けるセミナーを実施。「高校生ものづくりコンテスト」中国地
区大会では優勝者が2人出た。(野中明子)
県内は自動車関連や造船業を中心に、高い技術力で戦後産業界をリードしてきた企業が多い。しかし、多くの中小企業が人材の確保と育成を課題に抱える。一方、高卒者の4割弱が3年以内に仕事を辞めており、県教委は世界レベルの職人技を通じて、職業教育を行うことにした。
昨年度は、マツダで「ロードスター」を開発した技術者の講演に続き、学校が推薦した約70人が、旋盤作業▽電子回路組み立て▽電気工事▽化学分析▽木材加工▽測量――の6部門で3回の実技研修に臨んだ。その結果、中国地区大会の旋盤作業、電気工事の2部門でトップに輝いた。
2年目は、4月23日に1回目のセミナーを開催。スポーツカー「レクサスLFA」を担当したトヨタの技術者が、生徒約750人に製造秘話を語った。今後は約70人が6部門で指導を受ける予定という。
県教委は「学校の枠を超えて同じ目標を持つ生徒が集まり、職人の魂に触れ、切磋琢磨(せっさたくま)すれば、より高い技術力を身につけることができる」としている。
自動車関連企業などで作る東友会協同組合(広島市南区)の土居邦夫専務理事は「日本のものづくりは、中小企業の技術が支えている。ものづくりのおもしろさを知ってもらい、『自分が会社を引っ張っていくんだ』という気概で就職してくれる生徒を待っている」と期待する。
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