v10.0
- ID:
- 46259
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0603
- 見出し:
- 大阪欄間 榎芳商店 大胆で緻密 名工の創意工夫 (2/3ページ)
- 新聞・サイト名:
- MSN産経
- 元URL:
- http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/100602/art1006021248003-n2.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 「それは祖父、聖鳳(せいおう)の作品です。30年ほど前に他界しましたが、今の時代にあっても欄間の普及と技を守り伝えようと、懸命に取り組んでいました。それが聖鳳彫りと呼ばれる独自の立体感ある技法に結実したと思います」。こう語るのは、大阪市西区北堀江にある榎芳(えのよし)商店7代目の川
崎芳治(よしじ)さん(42)だ。
■寺社から一般に普及
欄間は、奈良時代から寺社建築への採光を確保するために作られたという。後に彫刻などの技巧を凝らした華麗なものが貴族の邸宅に使われるようになり、江戸時代以降、一般の住宅に取り入れられる。
欄間の主な産地はやはり京都だった。しかし、欄間が一般に普及し始めると、木材取引が活発に行われていた大阪に伝播(でんぱ)し、定着する。
大阪市西区界隈(かいわい)を歩いていると、今も材木関連の看板が目立つ。「海に面した大阪には古くから貯木場がありましてね、立花通(西区)には今も木製家具の業者が残っています。うちも戦前までは立花通に住んでいたんですよ」。先代(故人)の妻、川崎由喜子さん((65)は、大阪欄間につながる
伝統をこう説明してくれた。
..